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おいしいとこはすこしだけ

文系出身SE見習いの備忘録。

読んだ本と感想まとめ(~1/24)

文系出身SE見習いの北白川キリコです。

 

今日はここ最近読んだ本について片っ端から書いていこうかと。

同じ形式で週に一回更新できるといいな。

 

哲学・倫理学関係

リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください

二部構成。

 

第一部ではいわゆる日本リベラルへの批判。正義の指標としての「反転可能性」テストは面白い。

少しテクニカルな言い方になりますが、このことを踏まえて、反転可能性要請を最定式化すると、「自分の他社に対する行動や要求が、自分の視点だけではなく、他者の視点からも拒絶できないような理由によって正当化できるかどうか、それを吟味しなさい」ということになります。

このテストは自己だけでなく他者にも等しく課されます。そうでないと普遍化不可能な差別になってしまうから。他者が反転可能性テストを自らに適用しないならば。その他者の視点を尊重する必要はない。

(23ページ16行目~24ページ5行目)

ここから、フリーライダーダブルスタンダードが不正であることも導かれる、とのこと。

日本リベラルの言説の中には、リベラリズム=正義の論理を標榜しながらもダブルスタンダードを侵しているものがある。非リベラルがダブルスタンダードを敷くのはともかくも、リベラルがそれをやったら自殺だろう、という話の運び。それは全くその通りだなあと。

 

九条削除論やら徴兵制導入はなかなかどぎついことを言いよるなあ、と思ったけれど、理屈はわからないではないかな。しかし制度的に実現できるかというととても期待できそうな感じはしない。

 

あと、直接的には論旨に関わってこないんだけど、平和主義に対する論駁(同著者『共生の作法』で詳しくなされているらしい)が面白かった。

「『正義なんてものにこだわるから戦争が起こる』『正義なんて要らない。正義より平和が大事』というタイプの『平和主義』(44ページ3行目~4行目)」を著者は兄弟子に倣って「諦観的平和主義」と呼んているんだけれど、これは論理的に破綻していると。

というのも、これを肯定するなら、いくら現状がおかしいと思ってもそれを実力行使で改善するのは駄目ということになるわけで、それなら最初から自分に有利な状況を作っちまえ! とますます先手を打って実力行使に出たくなっちゃうだろうと。

で、それを防ぐためには平和的解決手続きを設定しなければならない。その場合、その手続きを「正義」とすることには同意しなければならないので、最初の「正義なんて要らない」という考え方と矛盾しているじゃないか、というような反論。

この「諦観的平和主義」の考え方はしばしば(本当にしばしば!)見て、そのたびにもやっとしていたので、この論駁は痛快。

 

第二部は正義論の歴史(主にロールズ)を追いつつ著者の正義論について。

ちょこちょこ話が飛ぶものの、思想史の概観としては読みやすい。

 

相対主義、「考え方なんて人それぞれなんだから何が正義とか決められないっしょ」という思想をどう斥けるかっていうのは正義論の大きなテーマの一つだろうし、多元化社会でますます議論になる機会が増えているはず。

批判的合理主義における可謬主義――「客観的なるもの」の想定、という考え方に著者は強くコミットしているみたい。全知全能の神が存在するみたいな考え方ではなくて、「自分には持つことのできない客観的視点を持つものが、それが何なのかは分からないがとにかく存在する」という考え方。というのも、これが存在しないかぎり、結局は自己の視点を絶対化することを免れ得ないから。

「考え方なんて人それぞれで正義は決められない」+「何が正しいか知ってる奴なんてこの世のどこにも存在しない」は「俺にとっては俺が一番正しい」に漸近する、ってことかな。

 

ロールズ先生が政治的リベラリズムに転身したことには随分がっかりしたよう。ある国が民主主義的でなくても「節度ある階層制」なら許容される、みたいな寛容さは、支持できるもんじゃないだろう、と。

一方でサンデル先生がコミュニタリアニズムから明確に「正義」を論ずるようになったことについては評価している……のかな。

 

しかしなんというか、理論には直接関係ないんだけど、インタビュー形式のせいかどうしても鼻につく語り口だなあというのが拭えなかった。

 

プログラミング関係

リーダブルコード―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

 

分かりやすくて保守しやすいコードの書き方。

読みやすいし面白いしわかりやすい。絶賛されていたのも納得。ある程度プログラミングを覚えたらみんな読むべきだ。絶対そうだ。

 

コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法 
コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法 (WEB+DB PRESS plus)

コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法 (WEB+DB PRESS plus)

 

こっちも面白かった。

なんでこんな書き方が必要なの? この機能はいつからできたの? 何に使うの? みたいなことを歴史を追って書いてくれている。

作る側の人間がどういうことを要求するのかとか、どういうところで失敗しがちなのかとかについて考えるヒントになる。歴史ってのは未来に活かすためにあるんだなあ。

 

小説

リカーシブル
リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブル (新潮文庫)

 

むちゃくちゃ面白かった。上手い。オチへ持っていくドライブ感が最高。

 

犬はどこだ
犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

 

リカーシブルよりは一段落ちるかな。どちらかというと「ネタが割れている」面白さのほうが強い。少しラストが強引な気がする。

でも十分面白かった。 

 

なれる!SE
なれる!SE 2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)

なれる!SE 2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)

 

いろんなところで「SEになるなら読んどけ」と書いてあったので読んでみた。

前半は「あー、なんかtwitterとかでよく見るSE像って感じ……」みたいな印象だったけど、青春活劇っぽい爽快な読後感だった。主人公が頑張っててかっこいい。

あと、シリーズもののラノベの1巻ってだいたい面白いんですよね。