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おいしいとこはすこしだけ

文系出身SE見習いの備忘録。

読んだ本と感想まとめ(2/2~2/8)

もっと読もうと思いつつついついスプラトゥーンやっちゃうなあ。

 

哲学・倫理学関係

貨幣と精神
貨幣と精神―生成する構造の謎

貨幣と精神―生成する構造の謎

 

哲・倫に分類して良いのかは微妙だけど、まあ哲学要素はあるでしょってことで。

ラカンが全然分かんないから教えてください、とお願いして紹介してもらった本。

 

三部構成で、第一部で「貨幣」として貨幣論の概観、第二部で「精神」としてラカンの紹介、第三部「貨幣と精神」としてラカンから社会システムを読み解く、みたいな構成かな。

まだ貨幣論のところまでしか読めてないんだけど、筆致がどことなく軽妙ですらすら読めるし、非常に明快で分かりやすい。

 

秩序問題について。傾性論と懐疑論は互いに対をなしながらも、過去と未来(帰結)のいずれかのみを所与のものとして認めることで、その間にあるギャップという疑問そのものをなきものにしている、みたいなところがめっちゃ面白かった。

 

機械論のところでも時間概念についての話は出てきて、機械論的な「予算制約下の効用最大化」を論じる際には全ての商品を比較検討したうえで何を買うかが決定されることになっているが、実際には何かを買おうという段階で既に何を目的としてモノを買うかが期待・予期されている。

でも機械論的にはそんな所与の未来、現在の目的としての未来というものはなくて、先に起こることは現在の時点でアルゴリズムによって既に決まっているものにすぎない。機械論には時間というものが存在しないのだ。みたいな。

 

知ってる人にはおさらいなのかもなあと思ったけど、不真面目文系人としてはこの明快さはありがたい。端折っているのか独断的な部分があるのか、ところどころ「そこは断言しちゃっていいのか?」みたいなところはあるけど……アプリオリっていうのかなこういうの……

次はいよいよラカンの節なので楽しみ。

 

性的唯幻論序説
性的唯幻論序説 (文春新書)

性的唯幻論序説 (文春新書)

 

いよいよもって哲・倫関係ないな……

岸田秀先生といえば、専門外のことについてコメントされていたのについて卒論で揚げ足を取りまくったような記憶があるようなないような。きっと気のせいですね。

 

フロイト解釈としてはすごく分かりやすいし、あの意味不明な喩え話の羅列(に見えるよね?)をどういう風に自分の中に落とし込んでいくか、という助けになる感じ。

およそ性欲というものに関連する事柄についてかなり幅広く取り上げているので、そういう意味でもすごく興味深いと思う。なかなか忌避感が出やすいジャンルだし。

 

ただ、「男性の/女性の性欲とは一般にこういうものだ」というようなことについてあまりにも独断的に語りすぎている感じがあって、学術的論及としてはあんまり良くないんじゃないかなあ……

フロイトに造詣の深い人による性欲についてのエッセー、ぐらいで読むのがいいような気がする。

 

小説

翳りゆく夏
翳りゆく夏

翳りゆく夏

 

めっちゃ面白かった!

ある女子大生が大手新聞社の内定を獲得するんだけど、その女子大生が昔起こった乳児誘拐殺人事件の犯人の娘だってことを週刊誌にすっぱ抜かれて、内定辞退したいと言い出す。新聞社側がなんとしても内定辞退させたくなくて、その誘拐殺人事件について再び洗い出す、というような筋書き。事件に関係した人々の視点が交錯する形でストーリーが進んでいく。

ドラマにもなってるのね。評判次第だけどぜひ見たい。

 

和菓子のアン
和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

 

日常の謎系連作短編集ってやつかな。ほっこりする。あと和菓子が美味しそう。

面白かったんだけど、「男のくせに女の子チックなものが好きなんて変」みたいな書き方が随所に(それも笑いどころとして)出てくるのはちょっと、うーん、ってなってしまった。昔よりこういうのを素直に面白がれなくなってるのは悪いことではないと思うんだけど。